ガーベラのつぼみ

K二丁目

本の感想と、日常と。

フィンランド豊かさのメソッドで思う自身と子供への教育

 久しく読んでいなかった本だったが、久しぶりに夢をかなえるゾウという本を読み、まとまった文章を読むという時間つぶしの手段を得た私は、また次の本へ手を伸ばした。好きな種類というものが特になく、適当にインターネットで検索し、なんとなく興味をひかれた「フィンランド豊かさのメソッド」という本を選ぶ。この本もKindleで700円を超えない。財布への優しさが感じられる。

 「フィンランド豊かさのメソッド」は2008年6月に書かれたものであり、今から遡ること約9年になる。作者の堀内都喜子(ほりうちときこ)はフィンランドのユバスキュラ大学大学院に留学し、この本を書くまでの5年間のフィンランドでの暮らしで得た経験をフィンランドの文化を主体に事実的に表している。ユヴァスキュラ大学大学院を卒業後、フィンランドの会社でマーケティングコーディネーターとして8年間勤務し、現在は駐日フィンランド大使館の広報部で活動しているらしい。

 タイトルには「メソッド」とあるが、その言葉のイメージとは異なり、具体的な方法論や深い考察等が記載されているわけでないことは、レビューにあった通りであった。フィンランドという国の紹介に近く、本書の「はじめに」でも、「読み終わった頃にはフィンランド通になっていることでしょう」という一文がある。なるほど、さすがにそこまでではないにしても、一度も行ったことがないフィンランドの生活が具体的にイメージできたのは違いなかった。

 フィンランドはWEFによる国際競争力ランキングにおいて、2001年~2004年までは1位、2005年は2位、2006~2007年は6位となっており、その高いランキングの主な要因は、教育による評価が極めて高い、と報告書にあると著者は言っている。気になるのは現在だが、3、4年前には3位、4位であったものの、2016年には10位にまで順位を落としている。しかし教育部門では依然トップのランクが付けられており、その根本には本書であるようにフィンランドには他とは一線を画す教育環境がある。というのも、教師はフィンランドでは比較的高尚な職業で、教師になる為の試験も教師になる為の養成レベルも高水準であり、授業は多くても25人程と少数体制かつサポーターがついていたり、国としての教育に対する力の入れ具合が強い。また、勉強は大人になってからも続けるものだ、という意識も国民全体で根強いらしく、手厚い社会保障による環境もあってか、とにかく読書をよくしたり、働きながら自分の好きな授業で専門性を高めることも珍しくないという。

 極めて狭い話だが、少なくとも私の周りでは社会人になってから勉強を熱心にしているという話は聞かない。基本的には与えられた仕事をこなし、金曜日には飲みに行き、土日は寝てるか遊ぶことが多い。結婚するまでの間に遊んでおかなければ、という言葉を発する友人も多い。つまりは、終身雇用的考えが私の年代でもまだ強く、仕事ありきの生活で、余暇時間は言葉通り余暇として「のみ」使ってる者が殆どであり、墓に入るまでのレールをもう見据えているように受け取れる。一方で自己啓発、自己投資という言葉を発する者もいる。日本でありふれたこれらの言葉だが、セミナーだとかに行くよりかは、本書を読んだほうが幾分と自身にたいする教育の考え方に刺激を与えられるのではないかと感じた。

まさに私の年代はこれから結婚し、子供を育てていくことになる。フィンランドと日本とでは教育環境が大きく異なるが、将来自分の子供の教育を考える際には、フィンランドの教育観念が関わってくることは間違いなさそうだ。子供どころか、結婚、そもそも彼女すらいない私には、だいぶ先の話になるのであろうが…