ガーベラのつぼみ

K二丁目

本の感想と、日常と。

デザイナーが仕事中に考えていること

 普段仕事をしていて一段落ついたとき、ふと周りを客観することがある。見渡すと打ち合わせをしている者、電話をしている者、データ入力をしている者、資料作成をしている者、文献を漁っている者と様々で、漏れなく自分自身もこれらのことをやっている者の一人だ。タスク的な単純作業の時は特に何も考えていないのだが、何か企画するような業務だとあれやこれやと必死で頭を悩ます。資料一つとっても、なぜこの表現を使うのか、なぜこのグラフを用いるのか、など、いまだに立ち止まることもしばしばだ。一方で、出来る上司や先輩の理路整然としたわかりやすいアウトプットを見てみると、技術的なものもそうだが、一体どう考えながらそれを作成したのだろうかという、取り組む際の心の中がかなり気になるのだ。もっといえば、一旦日常にあるモノに目を配ると、所謂クリエイター、ミュージシャンやデザイナーなどの人たちは、ただ才能にまかせてその音楽や書籍、動画という作品を世に送り出しているのだろうか。そこに何か、一般的にも参考になる考え方などは無いのだろうか。

 そんなことを考えている折、デザインという仕事を丁寧に教えてくれる本に出会った。「なるほどデザイン」という本だ。これは本書の「はじめに」にある通り、新人デザイナーでも、デザインに全く縁のない者も、読めば「デザイン」することをどう捉え、考えて完成させてくのかが、まるで親戚のお姉さんかのように優しく説明してある。心理的姿勢から、色合いや文字の大きさ等の一つ一つの理屈まで、本当にすべてが書かれているのだ。

 内容はもちろんデザインについてのものだが、学べることはすべての仕事に必要な要素だと思う。なるほど、デザイナーの人が生み出した作品だ、鮮やかで読みやすく、全く飽きさせずに、改めて基本的な仕事に対する姿勢に気付かされてしまった。

 また、心構えだけではなく、テクニカルなものも得ることができる。直接的には、資料作成にあたって重要な、グラフの使い方だ。どのグラフを用いたほうが良いのか、なぜそのグラフを用いるのか、どう表現するのか、効果的な見せ方はどうすればよいのか。基本私は「グラフは伝えたいことだけ伝わればよい」と考えていたため、デザインについてはほとんど手を加えず、Excel覚えたての人がつくるものと見た目の差はなかった。しかし、もちろん過剰な手を費やす必要はないが、キレイで整ったいグラフというのは、伝わる度合や納得感に感覚的違いがでるだろうことは、作中の例を見てみても明らかだった。

 この本を読む前と読んだ後では、雑誌でも、広告でも、WEBサイトでも、書籍でも、説明書でも、メールでも、仕事の資料でも、稟議書でも、見方がまるで変わっている自分に気付く。