ガーベラのつぼみ

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K二丁目

本の感想と、日常と。

データ分析の仕方を身に着ける

 一昨日はバレンタインデーだった。お昼休憩中、社交辞令的に女性社員からクッキーを頂く。その中には好意を寄せていた人もいる。未練はないし、そこには何の感情も無いとわかってはいるが、やはりうれしい気持ちになるものだ。

 そんなせっかくの気分を、先日上司に渡していた資料のレビューがかき消すこととなった。「この資料、話の流れははいいんだけど、もう少し裏付けするデータが欲しいな。何かない?」「何もありません」とは当然言えない。結局こじつけに近いデータを拾ってきて、一応上司にはこれでいいと言われたが、本当に良かったのだろうか。そういえば、データ解析なんて大学で単位を取る為に1コマ受けただけで、真剣に考えたことはなかった。

 データ分析初心者が

 いきなり統計学の本を読んだって、実務に活かせない結果に終わるのは容易に想像できる。専門的に難しい領域は要らない、むしろ使い方、考え方に重点を置いた本はないだろうか。「それ、根拠あるの?と言わせないデータ・統計分析ができる本」でその要求を満たすことができた。

 著者は日産自動車で勤務する方で、業務プロセスの分析・評価・改善や、人材育成計画に携わっているという。本書の進め方は、著者が上司という立場で、入社3年目の部下とのやり取りの中で、読者も一つずつ基本的な分析手法が学べる、といった形である。まずは部下に対して、なぜデータを用いるのか、何のために、どのデータが必要なのか、といった目的を明確にする重要性を説くところから始まる。というのは、データ分析という手段が目的化してしまい、結果迷走してしまうことが往々にしてあるからだ。

 基本的な分析手法

 あくまでデータを集める目的は活用することで、統計学を極めることではない。そのことを会話の中に散りばめながら、基本的な分析手法の説明が入る。項目としては、平均、標準偏差、回帰分析などだ。平均値の受け取り方に注意が必要ということは誰もが分かることだと思うが、そこからきちんとした指導があると更に理解を深めることができる。だが決して難しい言い回しはなく、しかしながらデータ分析に自信を持つための第一歩を踏み出すことができる。

 データの取り方

 本書で私が最も読んでよかった点は、データの集め方について記載があったことである。根拠となるデータを集めるとき、ほとんどの場合、「そんな都合のいいデータなんてあるのか」という壁にぶつかる。何かを考えるとき、いつもここで頭を悩ましていた。それが本書では、ないなら、つくる。因果関係を間違えないことで、有効といえるデータとする。といった点を教えてくれる。結局データ分析というのは、絶対的な答えを教えてくれるのではなく、「最もらしさ」を示してくれるに過ぎない。きちんと答えが容易されているのは、学生時代の試験くらいのものだ。この根本的なところを理解せずには、データを扱うレベルは上がっていかないのだと思う。