ガーベラのつぼみ

K二丁目

本の感想と、日常と。

生命保険の選び方。終身とか定期とか考える前に

 最近、会社の同僚がどんどん結婚していく。結婚なんて、30歳を過ぎて考えればいいと思っていたが、こうも周りの独身者が減っていくと、だんだん焦りを感じる。同い年だが、結婚した者はみんな、どこか大人な雰囲気が感じられ、それが少し羨ましい。

 その雰囲気はきっと、所帯を持つということがいろいろな責任を持つことになるからなのだろう。責任だけではない。諸々の手続きや将来のためのお金のやりくりも、考えただけでかなり大変だ。私は特に、保険のことがいまいちよく理解しておらず、勉強することから逃げていた。

 いざその時になったら真剣にならざるを得ないだろうと思うと、今から億劫になる。しかしどうせ通る道なのだ。今の内に少し、どういうものかくらいは、知っておいて損ではない。そういう時にすぐ頼れるのは、いつも本だ。

商品を知る前に仕組みを知る

 そうして手に取ったのが「生命保険の罠」という本。今から10年も前に出版された本で、情報としては少し古いであろうが、タイトルに惹かれてしまったのだから仕方ない。(2012に追記あり)もし、保険のことを考えるまさにその時に調べるとなると、複雑な商品内容に、効率悪く時間を費やしていただろうから、こういう「仕組み」を余裕のある時に知ることができるのは、後々楽にしてくれるのだろうと思う。

 内容はというと、生命保険について、商品の仕組みはもとより、保険会社の販売手法まで詳細に書いてある。著者は実際に大手保険会社で10年以上勤務していた経験があり、その道のプロであることは間違いない。

 また、タイトルに「罠」とある通り、注意喚起を促すネガティブに感じる記載がほとんどだ。しかしそれは、著者の保険会社勤務での経験に基づいた、実際に起きていることなのだそうだ。それゆえ、保険営業の者からは「受け身では」得られない商品の本質や、保険を選ぶ際の考え方、保険を扱う者自身が選んでいる保険など、基本かつ本質的な説明と、実際に役立つこれ以上ない参考情報が書かれている。

 保険にしかできないこと

 ネガティブな印象は受けるのだが、著者は決して保険そのものが悪いとは言っておらず、むしろ保険にしかない、保険の意義を明確にしている。

つまり、「日常的にはとても用意できそうにない金額(保険金)」を、「日常の中で支払っていける金額(保険料)」で調達する。そんな仕組み(保険)を使うことによって、多くの人が突然の不幸などにも備えることが可能になっている、というわけです。保険の存在意義は、この一点にあると言ってよいでしょう。

(本書より抜粋)

万が一のことは誰にでも起きることであり、その時に保険があることで、大げさではなく文字通り救われる。

 救われるのは金銭面だけではない。保険が使われるのは、精神的にかなり負担がかかっている状態の時だ。そんなときに保険があると、その安心感が、少なからず心をも救ってくれる。

 保険選びは

 割り切りが大切、そう筆者は説く。お祝い金という奇妙なシステムや、お得に見せかける複雑なオプションなどに惑わされてはいけない。商品内容に理解する努力を費やす前に、仕組みをまず知ることが重要だ。

 保険料貧乏にならないためには、それが最初の一歩だろう。検討時期に入る前に、本書に出会えてよかった。それになにより、こういった話は知り合いから聞いた「ここだけの話」みたいで面白い。